テニス

2007/01/27

魂を砕くテニス

 本当に、素人の予想とは当たらないものである。女子は一週目でバタバタして準備不足と思われたセレナが優勝した。シャラポア時代到来の色合いがいっそう濃くなったと思われたクライシュテルス戦。ウイナーの取れるテニスがシャラポアを押さえ込んだ格好となった。本気になったらウィリアムズ姉妹は怖い。特に妹のセレナは心身ともにトップアスリートそのものだ。世代交代は簡単にいかない。

1169877114
 一方男子も予想できない面白さがある。ロディックが、打倒フェデラーに向けてステップを踏んでいく。まず最初の関門はサフィン。この試合はどうしても見たかったため、わざわざ新婚家庭に訪問したほどである。そろそろ我が家もデジタルにしたいところだね。骨太同士の対決は、見に行った甲斐があったってなもんでした。サフィンがサフィンらしく戦い敗れた姿に今後を期待したい。だけどもロディックは明らかに一枚上手だったことも付け加えておく。この事からもわかる通り、一枚抜けた存在に見えた。サフィンファンでも、フェデラーと見たいと思わせた。

 楽にQFを勝ちあがったロディックは、いよいよフェデラーとの対戦。ここまではテニスファン共通の青写真。先のエキシビションでフェデラーを降しているだけに、興味のベクトルも共通するところだ。期待する展開は第1セット、ロディックがブレイクバックする4-4までだった。後はショーを見ているかのよう。圧巻は第2セット第3ゲーム。ロディックのサービスゲームをラブゲームでブレイク。内容もミスをしていない、むしろ他の選手ならポイントを取れていたであろうショットをいとも簡単にウイナーを決めていく。グランドスラムに向けてどんどん積み重ねてきた自信が崩れるのを見せ付けられた残酷な試合だった。一方で美技の数々に、サンプラスフリークの私も“超えた(超えている)”ことを認めないとならないと感じた。こんな感想を持った人は多いんじゃないかな。多くのファンの見識を欺いた一方的な勝利だった。_42493923_roddick_federer203


 さて決勝は、完璧なセミファイナルを戦ったゴンザレス。ハース相手になんと第1セット、エラー0。フットワークがよく、キメのショットを持っていて、よく周りが見えている。熱狂的なチリファンもバックについているし、おそらく会場ファンはゴンザレスの健闘を期待しているだろう。しかし、ここまでブレイク、ナダルを破り、完璧なテニスでハースを降した。一番いい時だけに、フェデラーがロディックとのような魂を砕くようなテニスをしたら2007年は、ランキング2位争いを楽しみにするしかないかもしれない。頑張れゴンザレス。
01658537192600


| | コメント (6) | トラックバック (0)

2007/01/15

対抗

 全豪オープン開幕です。この時期に開幕するだけに、大会を予想することは一年を占うことに通じるんでしょうね。サンプラスの寡占状態に関しては歓迎していましたが、テニス界のタメにもっていう意味でストップ・ザ・フェデラーが誰か、また現われるのか気になるところです。

 一番手は、久しぶりにエキシビションながらフェデラーを降したロディック。強烈なサービスとフォアを持ち合わせているものの、誤解を気にせず感想を述べれば、フェデラーを前にしては蛇ににらまれた蛙。それを打ち破るきっかけには十分なったことでしょう。またフェデラーも、そういう意味で負けたくなかったはずです。ロディックはなんといっても、コナーズがコーチになってから変わったと言われています。予想よりも早い収穫ができるか、全豪は注目です。

 コーチがらみで、ブラッド・ギルバートと組んでいるマレーは面白い存在でしょう。誰もが期待する逸材。同世代(バグダティス、ガスケ、ハードコートのナダル、モンフィスら)との競争から抜け出して、初めてフェデラーと対峙するっていう構図が見たいため、今回はそれほど期待していません。_42448493_murray49


 もうひとつ、長年連れ添ったコーチとコンビ解消したヒューイットは、怪我もあり流れも悪い。地元としてのプレッシャーがそろそろ軽くなってきただけに、今年はどうかと思いましたけど期待は薄いでしょう。それよりも、新しいコーチにソーリーマイトのラフターを呼ぼうとしたそうです。引っ越したばかりなので断られたそうですが。確かに引越しは大変です。

 みんなが大好きサフィンが出てくれば、私も含めて最高なんで希望半分で対抗馬にします。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2006/09/19

USオープン2006 おまけ

 みんなのテニス発売記念(?)で、USオープンでこれまで触れていなかったことをいくつか書きます。

■誰の目から見ても今大会のロディックは違いました。相変わらずサービスはすごいし、ショットセレクションが格段に良くなっている。キレることもない。つまり試合に集中できているから相乗的に効果が現われているのでしょう。これが新コーチ、コナーズがもたらしたものか大人になってきたからわかりませんが、負けん気が強かった頃とはまた別のすごみが出てきています。フェデラーと当たるまでは。ニューロディックもこの天才を前にしては、ただ善戦がいいところでしたね。自分の100に近い状態を出して、90のフェデラーとようやく互角という感じ。もちろん高い状態なんて試合通じて保つことが5セットマッチではなおさら難しいので自ずと結果は……。うーん、テニスは残酷だ。_42071578_tro2_getty_216


■私は、テレビを通してさまざまなスポーツをこれまで見てきました。あらゆるジャンルで、私の好きな解説者の一人に、柳恵誌郎がいます。良い解説者の条件に、「正確でわかりやすく公正」、「表現力が巧み」、「体裁のいいコメントばかり並べない」といったものがあると思います。その全てが備わっており、他のスポーツでは体操の具志堅さんなんかも最高ランクです。柳さんは特に表現力が巧みで、それで試合の流れや先までわからせてくれます。これは、編集したテニスを見る者にとっては、非常にありがたいです。今大会での決勝では、「ロディックはサーブだけでしかポイントを取れなくなっては、もうだめなのですよ」的な解説をしていました。これは今回だけ言っていることではないのですが、まさに試合は通り。見ながら頭の片隅に思っていることを引き出される気持ちのよさを感じさせてくれる解説者のひとりです。

■めでたく優勝したシャラポワは、コーチングだけでなく別の中傷を受けています。真偽のほうは先に不明とだけ断っておきます。優勝を決めた後、彼女とそのパパが携帯を取り出して電話しているところを画面に映し出されていました。また手には試合でつけていなかった腕時計をいそいそとつけました。携帯も腕時計もシャラポワのスポンサーで、その行為がスポンサー向けに行われていた疑惑が持ち上がっています。確かにパパはいつも関係者席でモトローラの帽子をかぶっているいます。そのくらいだったらどの陣営もあることなのですが、パパは電話をかけているフリをしていたとまで疑われています。確かにそれが本当なら、スポーツビジネスに一石を投じたものになりますね。これがNYタイムスの記事だったというから驚きます。個人的には、悪いことじゃないけど度を過ぎるとね……というところですかね。

■アガシと死闘を演じたバグダティスが、先日中国オープンで初タイトルを獲得しました。全豪での快進撃やアガシ戦だけじゃなく彼の表情豊な部分に惹かれる人は多いはずです。私もそんな一人。やっぱり優等生のおりこうさんばかりじゃあつまらないよな、マラト。また小国キプロスからっていうのがいいじゃないですか。85年生まれでまだ若い。この世代からしかフェデラーを追い詰める選手がでてこない気がしますので、ぜひ彼にはがんばってもらいたいですね。おめでとう。_42097514_baghdatis

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2006/09/10

シャラポワ!

 シャラポワが2004年のウインブルドン以来、グランドスラムの決勝に進み、その時以来のタイトルを取ることになりました。相手が、今年のグランドスラム全てのファイナリスト、エナンですから文句なしです。セミファイナルでは、ナンバーワンのモレスモーも倒しているだけに、あの事を除けばパーフェクトに“近かった”大会だったのではないでしょうか。

 この試合は、最初にブレイクを許したものの、すぐさまブレイクバックできたことで今日はイケると感じました(私は判官贔屓でシャラポワ)。ついていけば、乱れる予感がしていました。解説の遠藤さんが第6ゲームあたりで「エナン優勢」的なコメントのときも、私は自信がありました。何せサービスがいいし、試合にうまく“入れている”状態に見えました。雑音が多い全米ではこれが大事なのかもしれません。

 第1セットをいい形で取ったシャラポワの集中力は第2セットでも変わりませんでした。この決勝は締まったいいゲームだ。技術力もさることながら、精神力の強い両者が見せるテニスは実に面白い。エナンに誤算があったとしたら、シャラポワはこれまでのシャラポワではなかったところでしょうか。だからといって、まぐれと思わせないそのテニスは、ニューシャラポワをお披露目してくれた気がしました。第10ゲーム、エナンに粘る間も与えず勝ちきりました。試合後の表情は19歳。やっぱり美人だね、なんて思いながら昔のVTRを見たら、これまでもゴツかった彼女の体はここ一年でより逞しくなっていました。なるほど、苦労がうかがえます。おめでとう。

 ただひとつ、残念な疑惑が持ち上がっています。それが最初に指摘したパーフェクトといえない部分です。ロディックとの恋の噂ではないですよ。コーチング疑惑です。テニスは試合中は、コーチのアドバイスを仰ぐことなく、怪我をしたときもオフィシャルのトレーナーを呼ばなくてはなりません。コーチはたいがい関係者席で応援をするのですが、文字通り応援だけで何も指示をしてはいけないこととなっています。彼女は、この大会でお父さんがインターバルでバナナを食べたときに、同時にバナナを食べたことが話題に上っています。彼女の言うように偶然であればいいですけどね。_42069462_sha_getty_300

| | コメント (4) | トラックバック (2)

2006/09/06

US Open 2006 ベストドレッサー賞

Normal_tatiworld_usopen2006_26
 今大会はすごく悩みました。セレナの和風っぽいデザインは青いコートに実に映えていたし、シャラポワのドレスっぽい艶やかな黒のウェアも良かったです。私のベストは、ゴロビンの白いラコステのウェアに決めました。絶妙な胸元のカーブは、普通にお洒落です。また、どこかにクラシックを感じます。この画像を探すのにおよそ1時間かかりました。黒の方は簡単に見つかるんですよ。フランスのヤフーから執念で、この白バージョンを手に入れました。
_42045452_serena
_42032626_sha_getty_216

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2006/09/05

最後の投げキス

 まだまだ落ち着いてオシム体制を見てもいいかなと思うのは、試合を見ていないからでしょうか。試合だけじゃなく報道も落ち着きが無いサッカーは置いておいて、珍しくファーストウィークから面白いテニス全米オープン。

 アガシがついに敗れました。大学チャンピオンを経て昨年プロに転向した、異色の経歴の持ち主、25歳のベッカーの前に力尽きました。バグダティス戦で体を相当痛めていたようです。この試合のアガシはどうも力が入らない印象を受けました。ポイントを取ってもどこか力なく。ニューヨークの観衆の“覚悟”が、画面から伝わってくる感じがしました。「それ行けアンドレ!」と応援することが酷な印象だったのでしょう。第2セットを取った後も、私も目に焼き付ける専念に入りました。

 しかし、目に焼き付けるといっても、これまで見てきたアガシとは違います。懸命にプレイする姿は、もはやアガシでない。文字通り身を削りながらここまで戦ってくれたことは、やはりファンに愛され続けたゆえか。ゲーム後のスピーチで彼もそのことを一番に強調していました。
 「21年間みんなからもらった声援と思い出を心の奥に刻み込んで残りの人生を送ります」

_42045174_agassi_gallery

| | コメント (3) | トラックバック (1)

2006/09/02

テニスはかくも美しいか

 心の何処かで、キプロスの好青年バグダティスだったら次代へのバトンといういう意味でも、“いい”相手かなと思っていました。所詮、私のテニスを見る目はこんなものです。ファンの不安を他所に壮絶な死闘を制したアガシ。2セットを連取したにも関わらず、2セットを奪われた流れからはダイジェストながら負けを意識してしまいました。しかも第4セットは4ゲーム連取してからのセットダウン。キプロスの英雄は、孤独ながらとても良いファイトを見せる。彼は変わらず好青年で、人を惹きつける。会場のやつらもブーイングなんてするなよ。逆にいえば、それほど大観衆の作る雰囲気は極限状態にあったといえます。語り継がれる試合のひとつになるかもしれません。

 勝ったアガシは、心配された背中の痛みが良くないようです。次戦は予選上がりの勢いのある選手。名前はベッカー。不気味です。これに勝てば、ロディック。次を考えるにはまだ早いかな。
_42037320_andr_getty_300

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2006/09/01

踏ん張れ

 wowow復帰しました。今はテニスが始まるのをただ待つばかりです。今晩は、サフィンとヒンギス。感涙モノの放送スケジュールです。雨の恩恵で一日ずれたことも幸いしたようです。しかし、明日はというと……杉山→中村→アガシvsバグダディスのダイジェスト。おいおい、順番おかしいんじゃありませんか。確かにデジタルではフルでアガシ戦を放送しますが、あんまりです。つまり、今日と明日の差は日本人が出ているかどうかってこと。これじゃあ、心から日本の選手を私は応援できないですね。

 アナログしか見れない貧乏人が文句を言っても仕方がないのかもしれませんが、2ヶ月離れたwowowの魅力は落ちています。リーガエスパニョーラもおそらく放映権は取れない模様(取れても中堅どころ数試合)ですし、映画もこれといって。ドラマもグレイズ・アナトミーが来月やるくらい。とにかく、切っても切り離せないはずだった、サッカーが放送されていない現実を真摯に考えてもらいたいものです。

 おそらく某ライバルとの激しい価格競争が繰り広げられていることは想像できます。価格の叩きあいは気分のいいものではないですよね。でもこのままでは、魅力が無ければテニスの月限定のwowowになりそうです。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2006/07/02

アガシ去る

 ナダルのワイドへのサービスがノータッチで決まった瞬間、ウインブルドンのひとつの歴史が幕を閉じました。イングランドの40年ぶりの悲願が成就できないことになった同じ日に、全米を最後に引退を表明したアガシのウインブルドンが終わりました。センターコートのファンは、ゲームが終わった後も拍手が鳴り止みません。あの勝ったあとにする投げキスのときに最高潮。アガシも感極まった表情でした。イギリス贔屓の私ですが、やはりここのファンは最高です。

 テンポの悪いナダルテニスが好きにはなれませんが、何にしろ時代の担い手である彼に敗れたところは悪くなかったと思います。こういったあたりもスターなのでしょうかね。1stセットのタイブレークで、5-2とリードしながらまさかの5連続ポイントで逆転を許してからは、ただフィナーレを待つという状況になってしまいました。私にとっては、イングランド対ポルトガルとを並行して見ないとならなかったところが不幸でした。

 前も書いたかもしれませんが、私にとってアガシはサンプラスの敵、人気のアガシ。しかし、奇跡の復活やサンプラスの引退前後からは、彼を見る目が変わりました。一シーズンでも長くと祈る選手の一人になりました。テニスの転換期に対応できたところは驚愕で、それによって選手寿命がここまで伸ばすことができたのでしょうね。

 本当のラストマッチの相手は誰になるのでしょうか。今年の全米オープンは見逃せません。_41835542_agassi2_getty300_1


 

| | コメント (6) | トラックバック (0)